私が一番あなたの傍に…
「ごめん。もう食べちゃった…」

私がそう言うと、愁は吹き出した。私は何が面白かったのか分からず、困惑していた。

「大丈夫だよ。幸奈の分は狙ってないから。今度、うどんを食べに行こうな」

勘違いしていたことが分かり、私の顔は一気に沸騰した。
よく考えたら分かることだ。愁は私が食べているのを欲しいなんて言っていない。美味しそうと言っただけだ。
私は美味しさを分かち合いたいという気持ちが強すぎるあまり、愁の言葉の意味を理解することができなかった。
食べられるのを見られていたこと以上に恥ずかしい。穴があったら入りたいくらいだ。

「う、うん。そうしようね…」

暫くの間は思い出しそうなので、うどんはごめんだ。
でもいつか愁とうどんを食べに行きたい。そしてラーメンも。

「ラーメンも食べに行こうね」

「おう。どっちも行こう」

美味しい食べ物を食べ、心も身体もどちらも満たされた。
活力をチャージできたので、この後も元気に買い物ができそうだ。

「どうする？まだ買い物を続ける？」

ぶっちゃけ必要なものはもう買えたので、新生活に必要なもので欲しいものはない。あとは余暇のものを見て回るかどうかだ。
それならもう帰ってもいい。夕飯も食べたし。家に帰ってゆっくりするのもアリだ。私はどちらでもいいと思っているので、愁に合わせようと思う。

「うーん、そうだな。幸奈さえ良ければあともう少しだけぶらぶらしてから帰りたい。幸奈は？」

愁はどうやらまだ買い物を続けたいみたいだ。愁がそうしたいのなら、私はそれでいい。

「いいよ。私もぶらぶらしてから帰りたい。ちなみに愁は適当に色んなお店が見たい感じ？」

「ううん。どちらかというと目的があるかな。新しい服が欲しいから服を見たいかな。あとは適当にぶらぶらしたい。他にも色んなお店を見てみたい」
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