私が一番あなたの傍に…

10章:ずっと待ち望んでいた一緒に過ごすクリスマス

去年のクリスマスは愁に彼女がいると思っていたので、クリスマスは一緒に過ごせなかった。
でも今年は違う。ちゃんとお付き合いを始めて初めてのクリスマスだ。
一緒に過ごせるというだけで舞い上がっているが、それ以上に恋人になって一緒に過ごせるということが嬉しかった。
しかも同棲しているので、ホームパーティーも悪くない。学生同士の同棲でお金もあまりないので、できるだけ安く済ませつつ、楽しいクリスマスを過ごせたら良いなと思っている。

「愁、クリスマスは一緒に過ごしたいからバイトを休もうかなって思ってるんだけど、二十四日と二十五日ならどっちの方が休める?」

バイト終わりの夜。クリスマスの予定を確認したくて、愁に聞いてみた。
さすがに両方休むことはできない。店長から皆平等にどちらか一日は休みにしたいので、どちらか一日は出て欲しいとお願いされた。

「ん…、俺は両方大丈夫かな。バイト先から彼女がいるならクリスマスは休めって言われてるから、多分両方休みにしてくれると思う」

コンビニということもあり、多少融通が利くのであろう。
私のバイト先は飲食業ということもあり、繁忙期のため両方休むのは厳しい。

「そっか。いいな…両日休み」

「良いだろう?ちなみに中山も休みをもらってる」

中山くんも幸保さんという彼女ができた。愁の元カノであり、私達の恋路に巻き込まれた人だ。
今は中山くんという優しい彼氏が傍に居るので罪悪感は薄れ、幸せそうな彼女を見て安心している。

「そうなんだ。それで結局、どっちに休みをもらったら良いかな?」

バイト先には彼氏がいることは知られているため、クリスマスに休みをもらいたいことはバレているし、休みを取っても良い許可は得ている。
その上でどちらかしか休めないと言われ、二十四か二十五かどちらか一方しか選べないわけだが。
ちなみに小林さんと蒼空は二人共、二十五日を一緒にお休みにしている。きっと二人もデートなんだろうなと勝手にそう思っている。
まだ二人からはお付き合いをすることになったという報告は受けていないため、まだ二人は付き合っていないのであろう。
クリスマスデートが二人の距離を縮め、二人が恋人としてお付き合いを始めたら嬉しいなと密かに願っている。
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