私が一番あなたの傍に…
「できれば二十五日がいいかな。二十四日もあまり遅くならないうちに帰ってきてほしいです」

クリスマスの本番は二十五日だが、実質二十四日から本番スタートといったところだ。
愁のその気持ちはよく分かる。できれば私もそうしたい。少しでも長くクリスマスを愁と一緒に過ごしたいから。

「分かった。できるだけ調整してみるね」

「おう。楽しみに待ってる」

一年越しに待った愁と一緒に過ごすクリスマス。本当はバイトを入れたくなかった。
でも時期が時期なので、休めないのは仕方がない。寧ろお休みをもらえるだけ有難い。
それにこれから愁とずっと一緒に居ると決めた。いくらでもこれからたくさん愁と一緒にクリスマスを過ごせる。そう思うと少しだけ気持ちが軽くなった。

「待ってて。私もクリスマスが楽しみ…」

早くバイトに行って休みを捥ぎ取りたい気持ちで気が急っていた。
休みが取れない…なんてことはないが、クリスマスという日は誰にとっても特別だ。
その特別な日を休みたいという人は多いに決まってる。
何としてでもクリスマスは休みたい。愁と過ごすクリスマスのために。

「俺も楽しみ。早くクリスマスがこないかな…」

絶対に休みを勝ち取る！という気持ちで、今はアルバイトに意気込みたい。
そう思えば思うほど、早くアルバイトに行きたくて仕方がなかった。


　　　　　　　　　　　＊


そして翌日。
バイトに来て早々、クリスマスのシフトの希望をすぐに提出し、無事に希望の休みの日を勝ち取ることができた。

「大平さん、無事にクリスマスにお休みが取れてよかったね」

近くで見守っていた小林さんが一言、声をかけてくれた。

「うん。なんとかお休みを勝ち取れたよ。小林さんも同じ日に休むみたいだね」

遠回しに蒼空との仲を探ってみる。あまり深く詮索はしないが、二人の仲がどこまで進展しているのか、気になって仕方がなかった。
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