私が一番あなたの傍に…
私も思わず、嬉し過ぎて照れてしまった。
こんなの好きな人に言われたら、嬉しく思わない方がおかしい。

「今日、帰ったらしてもいいか?」

そんなのいいに決まってる。だって、私も同じことを考えていたから。

「いいよ。しよっか」

スイッチが入った私達は、足早に帰り道を歩いた。
家に着いた途端、玄関だというのに、すぐに愁はキスをしてきた。

「愁…?ここでするの?」

「うん。ここでする」

こうなってしまった愁は、もう誰にも止められないので、私は受け入れた。
愁は私が気を失うまで求めた。気がついたら、ベッドの上で眠っていた。
私の頭を優しく撫でてくれる、愁の手の温もりを感じながら、眠りに落ちた。


           *


今日も今日とて、アルバイトが入っている。
ちなみに愁は今日、アルバイトが入っていないので、お休みみたいだ。

「私、今日、アルバイトが入ってるから、遅くなります」

一応、お互いにその日一日の行動報告をすることになっている。
束縛というより、単純にお互いにアルバイトをしていて、帰りの時間が遅いため、心配する気持ちの負担を減らすために、こうしてお互いに報告することとなっている。

「了解。迎えに行くから、終わったら連絡頂戴」

お休みの日ぐらい、ゆっくしていてほしいが、愁のご厚意を無下にすることはできなかった。

「分かった。連絡するね」

私の言葉を聞いて、愁は安心したみたいだ。
だって愁は、迎えに行くことを楽しみにしているから。

「おう。待ってる」

話は変わり、他愛のない話を繰り広げた。
楽しい空気のまま、バイトの時間まで一緒に過ごした。
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