私が一番あなたの傍に…


           *



卒論は無事に合格し、卒業判定をもらえたので、あとは卒業式を迎えるのみだ。
ちゃんと卒業できるんだと思うと、急に肩の荷が降りた。これまで頑張って勉強してきた甲斐がある。これまでの自分を褒めてあげたい気持ちだ。
とはいえども呑気に浮かれてばかりいられない。これから卒業式に向けて色々準備しなくてはならない。
それに卒業したら今度は社会人になるので、入社するまでに色々準備が必要で。寧ろ卒業が決まってからの方が大忙しだ。
そんな大慌ての中、卒業を迎える直前までずっとカフェのアルバイトを続けてきた。
ずっとお世話になってきたバイト先も今日で最後。そう思うと途端に寂しくなってきた。

最初は馴染めるか不安だったけど、蒼空と小林さんというお友達ができたお陰で。なんとか続けることができた。
誰も欠けることなくずっと一緒に勤めてきたが、二人は歳が私の一つ上なので、先に社会人になり、バイトを卒業した。
二人が卒業してから寂しかったけれど、新たにお友達ができたり。たまに二人が足を運んだりしてくれたので、楽しくバイトを続けることができた。
そんなバイト先とも今日で最後。もうここで働くことはできない。今まで楽しかった思い出が蘇る。
初めてバイトしたコンビニも優しい人達に囲まれていたが、このカフェで働く人達はもっと優しくて。居心地が良かった。
だから辞めるのが名残惜しい。辞めることは学生ではなくなり、四月から看護師になれるということなので悪いことではないが、別れというものは離れる側も残される側も寂しいと感じてしまう。
そう思えるバイト先で働かせてもらえたことに感謝した。この経験を大切にし、四月から看護師として働く職場も素敵な職場であることを願った。
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