私が一番あなたの傍に…
「お待たせ。これで大丈夫かな?」
身支度を整え、愁の元へと駆け寄った。一応、愁に確認を取ってみた。
もし今から行く場所にそぐわない格好をしているのであれば、今ならまだ間に合うから。
「…綺麗。すげー似合ってる」
頬を赤らめ、照れながら伝えてくれた。
そんな愁を見ていたら、私の方まで顔が真っ赤になってしまった。
「あ、ありがとう。嬉しい…」
なんとも言えない気まずい雰囲気が流れ始めた。
でもいつもこういった雰囲気を変えてくれるのは、やっぱり愁だった。
「それじゃ行きますか。手、繋いでもいいか??」
いつもなら黙って手を差し出してくるのに、今日は事前に確認を取ってきた。
いつもと違う様子に、愁も緊張しているのが伝わってきた。
「良いよ。私も手を繋ぎたい」
私から愁の手を握った。今日は私の方から手を繋ぎたいと思った。
「ほら行こ。善は急げだよ」
こうしている時間も勿体ないと感じた。一刻も早く愁が私を連れて行きたい場所へと行きたい。
今日はなんだか積極的な自分がいた。緊張するより楽しんだ方が勝ちだと思った。
*
現地に着くと、本当に豪華なディナーだった。
しかも海辺の見える綺麗なレストランで。景色の綺麗さに感動した。
「沖縄ってすごいね。本当に海が綺麗…」
夕空は幻想的で綺麗だ。そんな幻想的で綺麗な空に海というロケーションが更に雰囲気を高める。
「そうだな。とても綺麗だな…」