私が一番あなたの傍に…

こんなに大きな金額を使うのは初めてのことなので、自分達すら慄いている。
言い方を変えれば車が買えるくらい、社会人として責任のある立場になったのだと思うと、急に大人であることを実感した。
ちなみに肝心の車の免許は大学在学中に取得したが、車の方はまだ購入できていない。結婚式をするという目標があったため、車の購入は一旦諦めた。色々落ち着いてから購入を検討したい。
でもまずはその前に運転技術の方が心配だ。何故なら免許を取得してからペーパードライバーなため、久しぶりに運転することになる。
まずは運転の練習をしてからの方が良さそうだ。どこかで練習できればいいなと考えている。
車の話はさておき、それぐらい大きなお金が動くということが、自分達の中でまだ一大事なのであった。

「でも俺は緊張だけじゃなく、自分達のためにお祝いしに来てくれる人達がいるんだなって思うと、楽しみな気持ちが強いんだよな」

確かに愁の言う通りだ。たくさんの人を巻き込んで、自分達がやれる範囲内で盛大に祝う。それが結婚式だ。
だからこそ自分達をお祝いするためにわざわざ時間を作って、足を運んでもらうということを忘れてはならない。

「愁の言う通り、お祝いしてくれる人がいるって、とても心強いね」

「心強いよな。今から誰を招待するのか楽しみだな」

頭の中で招待したい人を思い浮かべてみる。家族は当然だが、それ以外だとまず友達は絶対に招待したい。友達に晴れ姿を見てほしい。
そしていつか友達が結婚する時、今度は自分が招待されて、友達の晴れ姿をお祝いしたい。そうなれるように大切な友達は招待客として外せない。
その次に今の職場の人達だ。全員呼ぶのは金額的にも難しいので、仲の良い人と直属の上司は呼びたい。あとは愁と要相談だ。
これは私の希望だけど、できれば自分が学生時代にお世話になったバイト先の仲間も招待したい。特に蒼空と小林さんは招待したい。私も二人の結婚式に招待してもらったから。あと店長も。バイトしていた時に大変お世話になったから。
今、私が頭の中で思い浮かぶ人達が、気がついたらこんなにもたくさんいた。
それはこれまで素敵な縁に恵まれてきたからこそ、こんなにもたくさん大切な人達に出会うことができた。
これまでの縁に感謝した。そしてこれからもこの縁が続いていくことを願った。