私が一番あなたの傍に…
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今日は私がバイトがお休みで。愁は出勤日だ。
なので、そのまま愁のバイト先へと向かった。お店の中に入るのは迷惑なので、外でこっそりと待った。
スマホで時間を確認する。もうすぐ愁のバイトが終わる時間だ…。
スマホを弄りながら、愁のバイトが終わるのを待つ。待っている間、どう話そうかずっと考えていた。
「…幸奈?」
ずっと考えていたせいで、すっかり本来の目的を忘れて、考え事に没頭してしまった。
急に愁の声が聞こえ、驚いたが、すぐにバイトが終わったのだと察した。
「愁…。お疲れ様」
「ありがとう。でも、どうしてここに?」
あまり良い辞め方をしたわけではないので、元バイト先に来るのは気が重い。
でも、そんなことを忘れるくらい、今日の私は自分の気持ちしか考えられなかった。
「愁に話したいことがあって。それでここまで来ました…」
この言葉を口にするだけで、私の心臓はバクバクしていた。
一呼吸置いてから、話し始めた。
「愁。今、愁とお付き合いできて、私はとても幸せです。
でも、私には私の時間があって。愁にも愁の時間がある。もう少し私を自由にさせてほしい。
蒼空が気になるのは分かるけど、私は今更、愁以外のところになんか行かないし、愁しか見えてない。愁の方だよ。私以外を見ているのは。
私は今、ただバイトが楽しくて。新しい女の子のお友達ができて。もう少しその子とお喋りしたい。
だから、暫くの間、バイト先まで迎えに来ないでほしいです…」
ついに言ってしまった。愁の反応が怖い。
反応が返ってくる前に、また私が喋り始めた。