私が一番あなたの傍に…
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忙しすぎて、体感時間がとても早く感じた。
気がついたら、アルバイトが終了していた。もうこのままお風呂に入って、ベッドにダイブしたい。
何も考えられないくらい疲弊していたため、彼氏の存在なんてどうでもよくなっていた。
会ったら癒されるが、今はその気力すらない。それぐらい疲れていた。
愁には申し訳ないが、今日の予定をキャンセルさせてもらおうと思い、連絡をしようと思った、その時だった…。
「幸奈、少し時間をもらえないか?」
ずっと避けていた蒼空の方から、声をかけてきた。
どういう意図があるんだろうと思い、身構えてしまった。
「少しだけなら…」
タイミングが悪い。今日みたいな忙しい日に声をかけてくるなんて…。
そうでなくても、返事をまともに聞いてくれない蒼空と話すのは、余計に疲れてしまうので、できれば今は避けたい。
「ありがとう。助かる。こっちへ来てくれ」
人目につかない所に移動してくれるみたいだ。
その配慮は正直、とても有難い。
「分かった。蒼空に付いてく」
蒼空の後を付いて行くと、前回告白された場所に連れて来られた…。
「こんな所でごめん。この間の告白の返事を聞かせてほしい」
今までずっと避けられていたから、ってきり今、告白の返事を求められるとは思ってもみなくて。
正直、驚きを隠せなかったが、やっと返事を出せる嬉しさの方が勝った。