私が一番あなたの傍に…


           *


あまりにもあっさりと終焉を迎えたので、拍子抜けしている。
修羅場にならずに済んでなによりだが、こんなにもあっさりだとは思ってもみなかった。
完全に想像とは違っていたため、一気に気が抜けてしまい、呆けている。

「大平さん、大丈夫?」

小林さんが心配して、声をかけてくれた。
小林さんはこちらの事情を全く知らないので、私がこんなにも呆けてしまっていることを、不思議に思っているに違いない。

「うん、大丈夫。寧ろめちゃくちゃ元気」

「そうなの?それならよかった」

小林さんは更に不思議そうな顔をしていた。
私はそんな小林さんの顔を見て、思わず吹き出してしまった。

「え?本当にどうしたの?大平さん」

「ううん、なんでもないよ」

小林さんのお陰で元気をもらえた。
まだまだ楽しくバイトを続けられそうと思った瞬間だった…。

「そう?それじゃ支度が終わったから、お先に失礼するね」

そう言って、小林さんは先に帰ってしまった。
私は慌てて支度を始めた。早く支度して、お家に帰りたい。ゆっくりするために。
それに早く会いたい。報告したい。愁に…。
そんなことを考えていたら、あっという間に支度を終え、そのままバイト先を後にした。
すると、バイト先の外に、迎えに来てくれた愁が居た。
一気に心が跳ね上がった。
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