私が一番あなたの傍に…
「報告したいことがあって。実はね…」

わざとためを作ってから言った。意味深だと伝えるために…。

「今日、蒼空が話しかけてきて。それでね、ちゃんと断った。これでもうこの件は一件落着です」

心から安心することができ、顔が思わず緩んでしまった。
ようやく平穏を取り戻すことができた。もう私達を邪魔するものはない。
これで心置きなく、イチャイチャできる。

「そっか。それならよかったぜ」

心做しか、愁も表情に嬉しさが滲み出ている。
蒼空のことで一番気を張っていたのは、愁かもしれない。
愁の心の負担を軽くできたのだと思うと、私の心の負担も一気に軽くなった。

「うん。本当によかった」

これからは気にせずに、堂々とアルバイトにも行けるし、愁とも楽しく過ごせる。
この先の未来に良い未来があることを想像しながら、二人で夜道を歩いて帰った…。
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