私が一番あなたの傍に…
「幸奈さん、俺聞いてないよ?蒼空って誰?どこで知り合ったの?」

「蒼空とは、愁と最後の夜を迎えて、私が逃亡していた頃に、友達に合コンに誘われて、それで知り合ったの。
合コンに不慣れな私に、絡んでくる人がいて。困っていた私を助けてくたの。
ただそれだけの関係。やましいことは何もないです」

ついに言ってしまった。愁の反応を見るのが怖いため、上手く顔を見ることができず、顔を下に俯き、次にやってくる言葉を身構えていた。

「そう…だったのか。幸奈が合コン……」

私の想像以上に、愁のダメージは大きかったみたいだ。まさかそこまでダメージを受けるとは…。
でも、後悔はしていない。今ここで嘘をついたとしても、この先どこかでバレるし、何もやましいことがないのに、嘘をつく理由もないし、後々になってバレる方がダメージも大きい。
だったら、今言う方がいいし、私は愁に嘘はつきたくない。誠実でいたいから。

「だって、あの時は、本当に終わったって思ってたから。
愁と彼女が元サヤに戻ったって勘違いして、さよならを告げた手前、早く愁のことを忘れたくて、私も必死だったの。
いつもなら断る合コンに参加してみたら、何かが変わるかもしれないと思って、参加してみたの。実際、何も変わらなかったんだけどね」

「あの時か…。なら、仕方ないな。俺はってきり、まだ曖昧だった関係の頃に、行ったのかとばかり思ったんだよ。
過去のことだって分かっていても、醜い嫉妬をしちまうんだよな。あー…ダセー。カッコ悪いよな」

カッコ悪くなんかない。こんなにも好きな人に想われて、私はすごく嬉しかった。
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