私が一番あなたの傍に…
友達の言葉を聞き、今の自分達に合う恋人としての付き合い方は、これしかないと思った。
いつどんな時でも、友達は私の悩みを消し飛ぶくらい、的確なことを言ってくれる。
今の私に大事なのは、愁と同棲したいかしたくないか…。
それ以外のことは、愁と二人でゆっくり考えることにした。

「そっか。そういう考えもあるのか。私、難しく考え過ぎてたかも」

「そう?私は幸奈の気持ち、分かるな」

一人の友達が、遅れて話に入ってきた。
私はその友達の言葉に、胸がドキッとした。

「だって私達、学生だもん。将来のことはまだ未知すぎて、色々考えられないし。今を生き抜くことに必死だからね。これから就活もしなきゃだし」

就活…。その言葉は今の私達に重くのしかかる。
今は二年生だけど、来年は三年生。そうなると、本格的に就活を始めなくてはならない。
その時のことを想像するだけで怖い。就活が上手くいくかも分からないし、その中で同棲する不安も大きい。
本当に私達、この先上手くやっていけるのかな。今の私達にとって、何が大事なのだろうか。
友達に相談したら、益々分からなくなってしまった。自分のことなのに、人の言葉に左右されっぱなしだ。

「確かに。それもあるよね。就活か。考えるだけで胃が痛い…」

「それな。もう嫌だ。ずっとこのままがいい…」

友達は就活のことで頭がいっぱいみたいだ。いつの間にか話の方向性が変わっていた。
私は一人、色んな不安に襲われていた。結局、振り出しに戻ってしまった。
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