私が一番あなたの傍に…
「今からどんな仕事がしたいか、考えないとだね」

「だね。気が重いけど、時間がないから、ちゃんと考えないと」

私も今から就活についても考えなくては…という焦りもありつつ、同棲という新たな課題についても考えなくてはならないという不安で、頭がゴチャゴチャしている。
このゴチャゴチャを、また別の人達に相談することにした。


           *


「…ってことがありまして。お二人はどう思いますか?」

つい最近、フった相手に相談してみた。大学の友達と話した内容も一緒に…。

「俺は今までの彼女と同棲したことないから分からねーけど、幸奈の彼氏が幸奈と同棲したいって思う気持ちは分かる」

蒼空はきっと同じ人を好きになった者同士、どこか愁と共感できるところがあるのだろう。

「私は一回だけ彼氏と同棲したことあるよ。はっきり言わせてもらうけど、良いところもダメなところもあるけど、お互いのことを更に知るためには良いきっかけになると思うよ」

小林さんはどうやら、同棲経験があるみたいだ。
そのことに私は驚きを隠せなかった。

「小林さん、同棲してたんだね…」

「うん。一年前にね。マンネリ化して、レスになっちゃったから、私から別れを告げて、別れたのと同時に同棲を解消しちゃったけど」

小林さんは昔を懐かしみ、一瞬、悲しい顔をした。
でも、すぐに私の目をまっすぐに見つめてきた。
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