私が一番あなたの傍に…
「それじゃ、小学校まで案内するね」

「お任せします。よろしくお願いします」

私が昔通っていた小学校まで向かった。手を繋ぎながら。
小学校は実家から少し歩いた距離にあるので、比較的に近い方ではあった。逆に中学は少し遠いが…。

「ここが私が通ってた小学校」

あっという間に着いてしまった。それにしても、あの頃と何も変わっていない。それがとても懐かしくて。感動した。

「ここが幸奈が通っていた小学校か…」

愁も考え深そうにしていた。きっと自分の小学生時代と重ねているのであろう。
誰しも学生時代は経験したことがあるからこそ、自分に置き換えて想像しやすい。私も愁の通っていた学校が見たくなった。

「愁さえよかったら、愁の実家に挨拶しに行った時も、愁の通ってた学校を見てみたい」

勇気を出して、お願いしてみた。昔の私ならできなかった。自分でも良い方向に変わったと思う。

「いいよ。俺も幸奈に地元を紹介したい」

お互いに今まで知らなかった部分を見せ合い、更に自分のことを知ってほしくもなったし、知りたいとも思った。こうやって、お互いのことを知っていけたらいいなと思う。

「それじゃ今度、紹介してね」

ただ地元を紹介してもらうだけなのに、今からワクワクしている自分がいる。
そんなワクワクを胸に抱きながら、今は自分の地元を紹介することに集中した。

「おう。もちろん。ついでに地元の友達も紹介するな。連絡しておかないと」
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