私が一番あなたの傍に…
どうやら友達も紹介してくれるみたいだ。私もいつか地元の友達を紹介したいな。皆に自慢したい。この人が私の彼氏だと。

「私も今度、友達に紹介するね。また一緒に地元に来ようね」

友達だけじゃなく、親との仲も深めたい。いつか将来のパートナーとして隣に居るために。

「おう。また来たい。幸奈の地元、良い所だな」

自分の故郷を褒めてもらえるのは嬉しい。最近帰っていなかったけど、これからもたまに帰ろうかな。地元の空気を吸うのも悪くないと思えた。

「でしょ?空気も美味しいし」

「確かに美味しいな」

ここで一つ問題点が浮上した。それは部外者なので学校の中には入れないということだ。
外観だけ見れたからいっか。このままご近所を散歩すれば。なんて呑気に構えていたら、携帯が鳴った。これは電話がかかってきた着信音だ。慌てて私は電話に応じた。

「もしもし…」

『幸奈、そろそろ家に戻ってきても大丈夫だから、愁くんを連れて戻ってきなさい」

電話の相手はお父さんだった。どうやらお母さんを宥めることができたみたいだ。

「分かった。愁を連れて帰るね」

そこでお父さんとの会話は終わった。私は愁に状況を説明した。

「愁、お父さんから電話。もう帰ってきても大丈夫だって」
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