私が一番あなたの傍に…
その蜜が目の前にあるというだけで、私は耐えられるだろうか。私の方からたくさん求めてしまいそうだ。
同棲をするというだけで既に私は色んな想像をしてしまっている。一緒に暮らし始めたら暴走してしまいそうで怖い。
愁は暴走した私を受け入れてくれると思うけど、歯止めが効かなくなって、いつしか制御できなくなりそうで。そういった意味では不安な気持ちの方が大きい。自分の性欲の強さに自分で引いている。
なるべく暴走し過ぎないようにセーブをかけつつ、愁と一緒に暮らす新生活に心が踊っていた。


           *


そして、引っ越し当日…。
今日でもうこの家ともさよならだ。今日から新生活か。変な感じだ。
だからといって、住む家が変わるだけなので、特に何も変わらない。
それでも少し寂しいと感じてしまう。一年半以上この家に住んでいたので、自然と愛着が湧いていたみたいだ。
名残惜しいと思いつつも、今日から始まる新生活に対する楽しみの方が強い。だって好きな人と一緒に暮らすから。そんなの楽しみの方が強いに決まってる。
気分上々なまま支度を始める。荷物は昨日、運んでもらったので、新居に着いたら荷解きから始まる。
ちなみに新居へは愁と待ち合わせして、一緒に向かうことになっている。
待ち合わせ…とは言っても、玄関を出たら外で愁が待ってくれているだけだが。
外で待ってくれている愁をあまり待たせるわけにはいかないので、素早く支度を済ませた。あとは忘れ物がないか最終チェックをするのみだ。
< 87 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop