私が一番あなたの傍に…
でも小林さんの場合は、自分の経験談も踏まえた上で、私に必要な言葉を投げかけてくれた。その言葉が私をちゃんと見てくれているなと感じて。それが私には嬉しかった。
今までこんなに自分のことを想って言葉を投げかけてくれた人は、家族や愁以外にはいない。
私はこれまで深く人間関係を築き上げてこなかった。
だからずっと愁が羨ましかった。中山くんという親友がいて。私にも親友が欲しいと思っていた。
まさかそれが学校のお友達…ではなく、バイト先の仲間と関係を築き上げることができるなんて、想像すらしていなかった。
バイト先でもお友達が欲しいと思っていたが、学校のお友達に比べたら、気薄な関係になるであろうと勝手に決めつけていた。
それは自分の勝手な偏見で。友達になるのに経緯なんて関係ないのだと知った。それを知れただけで私は幸せ者だなと思う。
これからも人との縁を大事にしていきたい。この先にも人との良い縁があると信じて…。

「最初は自分の気持ちしか見えてなくて。言った後に後悔した。学生同士で同棲なんて苦労するだけだし、そういうのも全部含めて、幸奈の気持ちを考えてなかったなって反省した」

愁も愁なりに私の気持ちを考えてくれたみたいだ。学生にとっての同棲は結婚に等しい。それぐらい覚悟が重い決断をしたと思っている。
本当の意味で将来を考えているかどうかまでは分からない。結婚…なんてまだ遠い未来にしか感じられない。
それでも自分との将来について考えてくれているという事実が嬉しい。そして自然と考えてしまう。この人と将来、結婚するのではないかと…。
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