私が一番あなたの傍に…
愁に出会わなければ、自分がこんなに欲張りな人間なんて知らなかったと思う。
恋愛ってタイミングが大事で。タイミングを逃せば、付き合えない可能性もある。
私達は何度もタイミングを逃してきたが、こうして今、恋人としてお付き合いしている。
これを運命というのかもしれない。何度も巡り逢えたから。

「新居に着いたら、早く荷解きを終えて、しよっか」

同棲開始早々、いきなりすることになるなんて思わなかったが、同棲をすると決めた時から今までより回数が増えそうな予感はしていた。
今から想像して疼いてしまう。いきなり激しかったらどうしよう。私の腰が大丈夫かどうか心配になってきた。

「いいよ。でも今日は加減してね?腰が痛くならない程度にお願いします…」

色気のない頼み方かもしれない。でも今の私達は引っ越したばかりなので、荷解きをしなければならない。あまり放置しておくと、後々になってやるのが面倒くさくなる。
そうなる前に、なるべく片付けておきたい。学校とバイトの両立もしているので、手が空いているうちに片付けておかないと、いつまで経っても荷解きが終わらない可能性もある。
なんとしてでも今日のうちになるべく少しでも多く荷解きを終えたい。同棲に浮かれずに、やるべきことはちゃんとやっておきたい。
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