私が一番あなたの傍に…
「善処します。あまり煽らないでもらえると助かる」

煽らないで…と言われても、無自覚なので煽っているという自覚がない。
どこをどうしたらいいのか分からないので、どうしようもないが、気をつけるしかない。もし私が煽って、気が付いたら朝までしてしまった…なんてなったら困る。腰が死ぬ。
そうなる前に終わらせよう。そう心に誓って、新居で初めてすることにドキドキしていた…。

「う、うん。気をつける…」

気をつける…と約束したが、どうしたらいいのか分かっていない。
もし煽ってしまったら、その時はちゃんと愁を止めよう。自分が煽っているかどうかなんて考えるより、そっちの方が早いような気がした。

「もう新居に着いちゃった。あっという間だな…」

歩いて数十分といったところだ。本当にあっという間だ。まぁ同じ街内で引っ越したので、前のアパートとそんなに距離が変わらない。
大学やバイトに通うことを考慮して、なるべく遠い場所にならないようにした。実際、こうして条件に合う物件を探すことができたので、遠い場所にならずに済んで良かったなと思う。

「そうだね。あっという間に着いちゃったね…」

ちなみに新居はマンションにした。セキュリティーがしっかりしている賃貸に。
長い目で見た時、少しだけ背伸びしてマンションにしようと、二人で話し合って決めた。
金銭的な面で言えば、ギリギリ…といったところだが、それでもマンションを選んだ。
バイトも勉強も両立しなければならないので大変だが、二人で支え合っていけたらいいなと思う。
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