私が一番あなたの傍に…
「そう言ってくれてありがと。頼りにしてます、私の彼氏さん」

こうやって甘えればいいのだと、付き合ってから知った。
付き合う前の、身体だけの関係だった頃は、愁に言いたいことすら言えなくて。距離感が分からず、困っていた。
そもそもあの頃の私は、恋愛の始め方すら分からなかった。愁の方が恋愛に慣れていたけど、お互いに空回りしていた。暴走して現実が見えていなかった。
今は不思議と周りが見える。愁のこともちゃんと見える。不思議なものだ。愛を実感することで人はこんなにも変わるのだと…。
どんなことにも永遠なんてない。それでも人は永遠を信じてしまう。だから結婚をしたいと思う。
私達にはまだ高い山で。現実的ではないが、いつか現実化する時が訪れる。そのいつかが待ち遠しい。早く愁のお嫁さんになりたいなと思った。

「おう。大好きな彼女のために頑張りますよ」

生き生きとしている彼を見るのが好きだ。私のために頑張ってくれるのも、愁が自分のために頑張ってくれるのも。
どんな形であれ、恋人が元気に頑張っている姿は、私にとってエネルギー源だ。私も頑張ろうと思う。好きな人とずっと一緒に居るために。一緒に歩んでいくために。

「私も大好きな彼氏のために、一緒に歩んでいくために、頑張るからね」
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