黒を以て白を制す
「見た?今の安久谷の顔」
「ウケる。おはようじゃねーし。話し掛けんなっての」
キャハハハッと笑いながら手を叩く、女子社員たち。毎度のことだが私を無視する度に顔を見合わせて吹き出してる。
嫌がらせをしているときの彼女たちは凄く楽しそう。きっと悪に制裁でも加えているつもりなんだろう。ヒロインの味方をしている私たちは正義!悪を滅ぼす私たちは正義!と思っていそう。
随分、間抜けなヒーローだ。バカもん貴様らそれでも本当に正義のヒーローか!ベルトを置いて変身ポーズの練習をするところからやり直して来い!とキレた部長みたいに全員並べて説教したい。
自分は揉めた件に全く関係のない第三者なのによくやる。詳しい事情も知らない無関係な自分がしゃしゃり出て、一方的な嫌がらせを私に与えているだけの状態なのに関わらず、それが間違っていることだとは微塵も思っていない。
ほんと揉めた当人より揉めた相手の周りが騒ぐ、この世の現状そのまま。
無関係な人間が当事者のように騒ぎ、ずる賢いやつが泣き面で味方を呼び集め“可哀想な私”を演じて攻撃を煽る。
当人同士で解決する気なんて全く無い。あったら最初から止めてる。