黒を以て白を制す

 
 「本当に?」

 「うん。1個ムカついたら全部ムカつくの心境。周りは少数の意見に流されてるだけ」

 「積み木みたいに?」


 1個積んだら次々とお城でも作るみたいに不満が重なっていった感じ?そして出来上がった負の暗黒城があの大きさ?だとしたら、米粒みたいな小ささだってやっぱり最初の1つはバカに出来ないんだなと思う。


 連日、悪意のドレスに身を包んでイジメパーティーを開催している萌達を見ると。贅沢に贅沢。そのうちパンがなければ泥でも食ってろと言われそうだ。



 しかし、今までやられてきたことを思い出すと何も言わずに終わらすっていうのもモヤつくなー。本音を言えばガツンと言ってやりたい気持ちもある。長年、積もった恨みや痛みを綺麗に消化するためにも。


 心の断捨離じゃないけど 、負の感情を全て捨ててさっぱりスッキリしたい。そうすれば足取り軽く前に進める気がする。相手だって少しはスッキリするだろう。


 でも、会社内で大バトルはなー。剣を持って戦うどころか銃撃戦みたいになりそうだし。不穏な空気が漂ってると社長も気にする。


 どっちが正しい答えなのか迷う。もう本当に悩んで悩んで考え込むように頭を抱えて俯くと、伊那君が顔をこちらに向けて、ちょっと気まずそうに笑った。

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