黒を以て白を制す
大体、弱い人間は自分が弱いってアピールなどしない。弱いと思われて攻撃されることすら怖いから。
厚顔で傲慢で神経が図太いメンタルが強いやつほど『私は弱いんだから。あなたが許すべき』と目で口で表情で態度で言ってる。あなたは強いんだから少しくらい傷ついたって平気よね?と甘んじた言い訳を述べながら、人を平気で傷つけ、あまつ被害者ぶる。与えられる痛みの度合いは一緒なのにだ。
そんなやつが弱いわけない。鬼のメンタルを持ってなきゃそんな図々しいこと出来ない。出来ないのに人はあっさりと引っ掛かる。この子は弱い子、守ってあげなきゃ、って。本当の性格を見極めているようで見極めていない。
それでも人は自分が知ってる姿が正しいと思うし、正しいと言う。自分が正しい答えを導き出せていると思いたいから。
しかし、言いたい。声を大にして山の上から叫ぶように言いたい。客観的に見てから物事を言え。ドアホ、と。
はぁー。鬱々する。しかも名前だよ、名前。私って名前からして、ちょっとあれだ。あくやくわこ、悪役かよ!と自分でも突っ込みたくなる。何なら「“い”を付け足したら悪役怖~いになるよね」なんてネタにされたこともあった。
そりゃもう思春期の頃はもっと考えて名前を付けてくれてれば……と、思ったし、親と喧嘩をしたりもした。だけど、今はもうそれも私の人生かと開き直っている。
むしろ、ここまで来たら一層のこと悪役ライフを楽しんでやるわ。うじうじ生きるより、そっちの方が楽しいじゃん。そう思って昨日、元々黒かった髪を更に黒く染めた。黒さの上塗り。闇のコーティング。
私だって生まれ持った本来の色はわりかし良い色をしているのよ、髪も心も。誰にも見せてやらないけどね。なんて心の中で1人寂しく呟きながら染め粉で黒に染めたのだ。