黒を以て白を制す


 そのくせ一度でもマウントをし返すと『あいつにマウントされた。あいつはマウント女だ』なんてギャーギャー騒ぐ。そんなのマウントを取るからマウントを返してるだけで、普通に『頑張ってるんだ、私』と話せば『凄いね、偉いじゃん』と素直に褒めるのに。


 『あいつは出来てない、ちゃんとやってない』と言っては『それに比べて見て〜。私は頑張ってるでしょ?』などと繰り返す。それなら『そうするより、こうして見たら?』と軽いノリでいいから教えてくれればお互い平和でいいのに言わない。本当に微妙だと、間違いだと思っているなら、意見、理由、改善方法を提示するなりすればいいのに言わない。


 聞くか聞かないかなんて本人次第なんだし、直した方が良くなると思ってるならハッキリ言えばいいのに。とにかく何も言わずひたすら相手を下げて、バカにしてバカにしてバカにし続ける。ネタにしたり文句を言ったり。


 まぁ、それもこれも全部が全部、自分が褒められるための序章だ。狙った相手下げ。自分が褒められるために他人を踏み台にしてる。頑張ってるけど、たかがそれくらいでと思われたくないし、でも頑張りを認めて欲しい、とにかく聞いて欲しい、どうにかして褒められたい!と思うから他人を踏み台にする。


 そして、褒められたら素直にありがとうと言えばいいのに『こんなことくらいで』と斜め上な謙遜をする。『全然凄くないけど』と笑ったりする。いや、凄いんだってあなた達は、と思うがダメ。素直に喜んだらバカにされるとでも思ってるのか本人達は素直に喜ばない。


 素直に褒めてとも言えないし、素直に喜ぶことも出来ないし、だけど褒められたいから、相手をバカにしながら自慢したり謙遜したり回りくどいことをする。


 面倒くさい。そんなの『おう!凄いだろ私。頑張ってるだろ。褒めてくれ』でいいのだ。


 別に褒められたいと望むのは恥ずるべきことじゃないし。実際、頑張ってるんだから。褒めて貰えばいい。他人など無視。そこは自分。むしろ褒めてくれない人やバカにする人こそ無視しとけよと思う。


 あの人らは単に心が狭いのだ。人が褒められてるのを見ると羨ましくて仕方がないから褒められた人間に当たり散らす。そんなの相手にする必要はない。褒められたら純粋に喜んどけばいいし、その方がきっと楽しい。褒めて褒める、それでいい。褒め合いの精神でお互いいけばいいのにと思う。


< 63 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop