松之木学園♥生徒会執行部
「もういい。うるせーし、帰れよ」
「そこを何とか!」
「いや、何とかしねぇし」
「そう言わず。私に付いてきてください」
「はぁ?」
「あ、勿論あの世じゃないですよ?行き先は生徒会室ですからね?私は幽霊じゃありませんし、そこら辺は安心してください」
「それはわかってるわ!」
念の為に行先を教えた私に澤田君は透かさずツッコミを入れてきた。しかし「生徒会室?」とそこについては疑問を浮かべている。
てっきりメンバー入りの件は把握していると思っていたが、どうやら澤田君は校長から聞いた話の意味をあまり理解していなかったらしい。きっと、あの校長のことだから澤田君の気を昂らせないように、やんわりと遠回しにでも言ったのだろう。わからなくもないけど、伝わらなきゃ意味がないじゃない。おかげであり得ないくらい不審がられている。
「とにかく私と一緒に生徒会室に来てください」
「嫌だ。なんでお前に命令されなきゃいけないんだよ」
「命令じゃありません。お願いです」
「はぁ?教師みたいなこと言ってんなや」
「えー。あー…、よし。次のところを澤田。読んでみろ」
「いや、真似とかいいから。求めてねーし」
振りかと思って授業中の先生の真似をした私に澤田君はガチ目に怒ってくる。殴られるかと思ってちょっとビビッた。だけど、噂とは違って澤田君は手を出してこない。怖いのは声だけ。顔だって相変わらず美しさを保っている。
「もー。ちょっと暇つぶしがてら来てくれたっていいじゃないですか」
「嫌だ。校舎には入りたくねぇ」
「ここだって校舎でしょう」
「ここは元だろ。授業にも出なくていいし」
「授業に出ないならどうして学校に来ているんです?」
「この場所が好きだからだよ」
そう言って澤田君は気だるげにソファに寝転がった。うん。わかっているよ。出ていけと言いたいのは。だけど、こちらも任務を遂行する為に必死なのだ。簡単には折れられない。