松之木学園♥生徒会執行部
「して欲しいと言われても。澤田くん本人は生徒会に入ることを望んでいるんですか?」
眼鏡を押し上げ、議長の加地雄大が校長を詰める。
「んー、そうねー。一応、ここに来るように声は掛けさせて貰ったけど」
「掛けたけど来てないってことは入る気がないんじゃ……?」
雄大の隣で身を乗り出したのは会計の藍染鈴花だ。
雄大はいかにも真面目そうに見えるクールなインテリ系男子。
鈴花はロングの三つ編みに姫カットが可愛い二次元が大好きな根っからのオタク娘。
2人ともタイプは違うけど、揃いの黒縁眼鏡を掛けていて息がピッタリ。2人揃って行動することも多いし、一部の生徒からは恋人だと勘違いされているほど。
付き合いのある私から見ても2人はお似合い。生徒会の名物眼鏡コンビである。
「いいえ。そんなことないわ。彼はシャイだし、きっと照れているのよ」
「その口振り……。まさか勧誘するのも私たちに頼もうとしてます?」
「いえ!でも……、そうした方が話もスムーズよね」
「ドコが……?僕たちが声を掛けても絶対に頷くような男じゃないでしょう」
しどろもどろ答える校長に雄大と鈴花が口々に不満を述べる。
しかし、校長は諦め悪く「そこを何とか。手を合わせて頑張って頂戴」と言った。