松之木学園♥生徒会執行部
「やる気あんのかテメェ」
「ありません!」
「ありませんじゃねぇっ。出せ‼」
キッパリと言い放った私に鋭い眼光を放ち、澤田君は「せめてこれくらいはやれ」と言って鞄の中から自分のノートを取り出した。渡されて見てみれば、色まで分けて綺麗に分かりやすく纏められている。参考書みたいに。
「……凄いですね。誰から巻き上げたんですか?」
「盗るか!自分で書いたに決まってるだろ」
「えぇっ⁉」
その見た目で?この綺麗なノートを?ちまちま色まで変えて分かりやすく?
そんなバカな。あなた、泣く子もぶん殴る狂暴な不良じゃなかったんですか?と目をカッ開きながら驚く。人は見掛けによらない、とはよく聞くけども、その言葉が本物だったと初めて知る。
「お前も明日からこうやって書け。話はそれからだ」
「えー。こんな参考書みたいに書けないッスよ」
「このくらい普通だ、普通。つか授業中にペットの絵を描いてる方がおかしいだろ」
明らかに授業中にガムとか噛んで昼寝をしてそうな見た目をして、澤田君は私にお説教をする。信じられない。教師も匙を投げるようなバチクソヤンキーなのに。
「ちなみに一応言っておきますが、ピーコはペットじゃなくて私の相棒ですからね」
場所は変わり生徒会室。ピーコに餌を与えていた澤田君に重要な事実を告げる。ピーコと私の間には主従関係なんてないもん。人生を共に羽ばたく相棒だ。
「何も自分から鳥頭だと言わなくてもいいだろ」
「ピーコは頭が良いですからね。自ずと私も頭が良いってことになりますね」
「違う。アホって言ってんだよ」
「失礼な!今、澤田君は全鳥を敵に回しました!」
透かさずツッコんでくる澤田君にビシッと指を指して全鳥の気持ちを代弁する。私をアホ呼ばわりするのはいいけど、ピーコ達をバカにされるのは許せない。
「見ておけ、澤田。明日から貴様は行く先々で鳥の糞と羽攻撃に合うだろう」
「不吉な予言をするな!」
ピーコを腕に乗せ、腹話術を楽しむ私に澤田君は物凄く嫌そうな顔をする。ピーコがタイミング良く「クルックー」と鳴き、羽をバッサバサと揺らしてくれたのにも関わらずだ。どうやら彼はあまり冗談が通じないタイプらしい。