松之木学園♥生徒会執行部
『1年3組』
「なるほど。そういうことか」
次の日のお昼休み。昨日の澤田君の態度が気になっていた私は彼の様子を窺いにこっそり3組まで見にいった。
それもどうせ会いに行くなら一緒にお昼ご飯も食べようと思い、ピーコをイメージして作った可愛らしいキャラ弁を2つ手に持って。
まぁ、言ってみれば勉強を教えて貰っているお礼みたいなものも兼ねている。あの勉強量を毎日教えて貰っておいて、マジック1つ教えるだけっていうのも何だか気が引けるし。
何か他にお礼は要らないか聞いたら『飯かなぁ』と言っていたから、お昼ご飯を渡すのは澤田君の中でも結構ありなはず。
手作りって意味で言ったんじゃないと思うけども。しかし、せっかく作ったものを『要らね』なんて言ったら許さんぞ!澤田ー!と思いながら教室に向かったのが3分前の出来事。
教室を覗いて早々、ドアの向こうに見えている光景に背筋がヒュンとする。3組の教室は普段自分が過ごしている教室とそっくりで、ぱっと見た感じ何の変哲もない。
違いと言えば教室でご飯を食べている生徒がうちのクラスよりも多いかな?って程度。しかし、雰囲気が暗い。外は晴天なのに教室の中だけがどんよりとした曇り空。皆、口数が少ないし、表情も硬いし、気まずそう。
しかもその生徒達の視線は一点に集中している。視線の先を辿って見てみれば、教室の隅っこで背中を丸めて机に突っ伏している金髪頭。猛犬注意の看板でも傍らに立っていそうな凶悪オーラだ。肩を叩いたら噛みつかれそうな。