松之木学園♥生徒会執行部
そんな校長の態度に副会長の戸山颯が不満げに口を尖らせた。
「えー。校長ったら無責任すぎですよ〜」
「そう言わずに。ね?」
「無理ですよ。僕たちじゃ……」
「大丈夫!あなた達なら出来る」
「出来ないですよ。僕たち他にもやることがありますし」
「そんなことを言わないで。荒くれた彼を更生する為にもあなた達、生徒会メンバーの力が必要なの」
不服そうな颯を猫なで声で宥め、校長は愛想良く手を合わせて“お願い”と微笑む。
颯は背が小さく天然パーマ、クリっとした大きい目が特徴的の男の子。イギリス人と日本人のハーフらしく、天使のように可愛らしい見た目をしている。
本人もそれを自覚しているのか、普段から発言や行動が甘えたであざとい。愛すべき、あざと可愛い弟系キャラといったところだ。
当の本人は“あざとい”って部分を否定しているけど、可愛いと呼ばれてる部分は否定していないから、やっぱりあざとい。
「そこは我々生徒会じゃなく先生方に頑張って頂きたいんですが」
「私たちじゃダメなのよ。何を言っても反発されちゃって」
「先生方でも無理なら僕たちがやっても無駄だと思いますよ」
ガックシと肩を落とした校長に理央が困ったように笑う。言うて僕達ただの学生なんで、と。
「そんなことないわ!生徒たちの心をガッツリ掴んで率いているあなた達なら大丈夫!」
ガンッと激しい音を立てて校長は机に手を付き、鼻息荒くイスから立ち上がった。
本気を出すのはここしかないとでも言うようにギラギラと目を輝かせて本気も本気。
引き攣った表情を浮かべた理央を真っ直ぐ見つめて必死に説得にきてる。