いちばんぼし
第1章
杏莉side
「ピピピ…ピピピ…」
毎日朝6時になるアラームの音で目を覚ます。
軽く身だしなみを整えて朝のウォーキングにいく。
30分程度歩いたら家に帰り、2人分の朝食を作る。
7時頃、母と2人で食卓を囲み、仕事に向かう母、桜庭 奈緒を送り出す。
そうやって私、桜庭 杏莉の1日が始まっていく。
「杏莉、今日ママ少し早く帰って来るから。夕飯はママが作るね。」
「わかった。行ってらっしゃい。」
私には父親がいない。
私が2歳の時に事故で亡くなったとお母さんから聞いた。
何となく記憶はあるけどほとんど覚えていない。
今は母と私の2人暮らし。
(よし、食器片付けてレポートしよ。)
杏莉は通信制高校に通う高校生。
春休みがあけ、2年生になった。
「ん〜、疲れた。お昼たべよっかな。」
お昼休憩を挟み、再度レポートに取り掛かる。
午後3時を過ぎた時、玄関の扉が開く音がした。
「ただいま〜」
母の声がした杏莉は玄関に向かった。
「おかえり。こんなに早いとは思わなかった。」
「今日は杏莉に話したい事があるの。ケーキ買ってきたから食べながら話そう。」
「うん。」
母がケーキを箱から出し、コーヒーを入れてくれた。
そしてダイニングテーブルに向き合って座る。
「ママ、話ってなに?」
母はゆっくりと深呼吸を1回する。
「ママね、再婚しようと思ってる。」
「再婚……?」
父が亡くなってから10年以上経つが、母から男の気配がしたことは1度たりともなかった。
「ピピピ…ピピピ…」
毎日朝6時になるアラームの音で目を覚ます。
軽く身だしなみを整えて朝のウォーキングにいく。
30分程度歩いたら家に帰り、2人分の朝食を作る。
7時頃、母と2人で食卓を囲み、仕事に向かう母、桜庭 奈緒を送り出す。
そうやって私、桜庭 杏莉の1日が始まっていく。
「杏莉、今日ママ少し早く帰って来るから。夕飯はママが作るね。」
「わかった。行ってらっしゃい。」
私には父親がいない。
私が2歳の時に事故で亡くなったとお母さんから聞いた。
何となく記憶はあるけどほとんど覚えていない。
今は母と私の2人暮らし。
(よし、食器片付けてレポートしよ。)
杏莉は通信制高校に通う高校生。
春休みがあけ、2年生になった。
「ん〜、疲れた。お昼たべよっかな。」
お昼休憩を挟み、再度レポートに取り掛かる。
午後3時を過ぎた時、玄関の扉が開く音がした。
「ただいま〜」
母の声がした杏莉は玄関に向かった。
「おかえり。こんなに早いとは思わなかった。」
「今日は杏莉に話したい事があるの。ケーキ買ってきたから食べながら話そう。」
「うん。」
母がケーキを箱から出し、コーヒーを入れてくれた。
そしてダイニングテーブルに向き合って座る。
「ママ、話ってなに?」
母はゆっくりと深呼吸を1回する。
「ママね、再婚しようと思ってる。」
「再婚……?」
父が亡くなってから10年以上経つが、母から男の気配がしたことは1度たりともなかった。
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