【シナリオ】離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!
第2話【傷心】
《今から二年前》
⚪︎光寿の部屋【昼】
日本家屋の古い長屋。そこにある縁側に座っている光寿。
光寿は、整備されていない庭を見て寂しそうな表情。
寿樹「そんなに落ち込むなよ」
《私、結城光寿はリゾート会社としては有名の『リゾートゆうき』の経営者一族で私は社長の娘だ。つい最近まで恋人がいて家柄なしで見てくれる唯一の人だった。学生時代からお付き合いをしていてもうすぐ結婚間近だと思っていたのだけど……その矢先に彼に浮気されて私を家柄しか見ていなかったことも話をされて私から別れを告げて……今に至る》
光寿の兄・寿樹【ショートヘアの青年】が来て光寿の隣に座る。
光寿「お兄ちゃん、帰ってたんだ……おかえり」
《この人は、私の兄・結城寿樹。『リゾートゆうき』の次期後継者。今は父の友人の会社で経験を積むために働いているため、家を出て一人暮らしをしている。》
寿樹「ただいま。母さんから聞いたよ、閉じこもってるって聞いたから」
光寿「……聞いたんだ」
寿樹「あぁ。まぁ……光寿はまた素敵な人に出会えるよ。母さんに似て美人だし」
光寿(お母さんが全て話しちゃったのか……本当に心配してくれてたんだな)
光寿「迷惑かけてごめんなさい、しっかりしなきゃね」
寿樹「全然、俺はいいけどね」
寿樹は光寿の頭を小さな子供にするみたいにワシャワシャする。
光寿は寿樹と話をしたことで、とある決意をして父のいる書斎に行く。
⚪︎書斎
書斎では父【温厚な五十代くらいの男性】が仕事をしている。
テーブルのあるソファに座る。
父「光寿。大丈夫かい?」
光寿「ご迷惑をおかけしました。お話があって」
父は光寿と二人分お茶を淹れる。テーブルに置く。
父「光寿が来てくれて嬉しいよ。話って何かな?」
光寿「恋愛結婚がしたいと言ったのにこんな結果になってしまってすみませんでした。私、お父様が決めた方と結婚したいと思います」
父「……そうか、光寿が決めたことなら見繕うよ」
《その後、翌週にはお見合いをセッティングしてくださってお見合いをすることになった。だけど、お父様が出張しなくてはいけない案件が起きてしまいお見合いは延期となってしまった》
⚪︎玄関先【昼】
玄関にはキャリーケースに両親がいる。
父「ごめんな光寿。帰ったら、早めにお見合いできるようにするよ」
光寿「大丈夫よ。気をつけて帰ってきてね」
光寿・母「留守番よろしくね」
光寿(だが、両親は仲良く出かけて行った。)
光寿(でも、この日の翌日……両親は交通事故で亡くなってしまった)
⚪︎玄関
女性「お久しぶりね、二人とも」
一人の女性が家に訪れた。