【シナリオ】離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!
第5話【現われたヒーロー】
男性は屈んだまま光寿を見る。
⚪︎金盞花【昼】
男性「結城光寿さん、だよね?」
光寿「は、はい。だれ、ですか?」
男性「僕は君のお父様……結城社長と仲良くさせてもらっていたんだ。説明は後だ」
男性は光寿にジャケットをかけ、横抱きにする。
光寿「えっ、ひゃぁ!」
男性「大丈夫。掴まって」
光寿を抱き上げると、男性は出入り口に移動。
健太郎「その子は俺のだっ! そもそも、俺は借金返済を約束している! 俺がいなかったら、困るのはそっちだ」
光寿(そうだ、借金……助けてくれたこの人には悪いけど、この人に連れられると困る)
男性「それなら大丈夫。借金なら、全額僕がしたから。リゾートゆうきの援助には、僕の会社『六條自動車株式会社』が名乗り出たから問題は全くない。」
光寿(借金返済!?それに六條って……そんな大企業とお父さんは関わりがあったの?)
男性は一緒に来ていた眼鏡男性に告げる。
眼鏡男性「返済証明ならこちらにございます」
眼鏡男性は紙を健太郎に見せると健太郎は尻餅をつき、放心する。
眉目秀麗な男性は眼鏡の男性にあとを任せると、光寿を連れて外に出た。
⚪︎場面変わり、高級車の車内
後部座席に男性と隣に座っている。
光寿「……助けていただいてありがとうございます。借金返済までしてくださって感謝してます。ですが、あなたは誰なのですか?」
男性「すまない。僕は、六條南都。六條自動車株式会社の社長職をしております」
《六條自動車株式会社とは、自動車メーカーでもトップを誇ってる会社だ。先代社長が突然病気になってしまい亡くなったため後継者として育てられていた息子が急に社長就任したのはまだ少し前の話だ。とてもやり手で優秀だと聞いたことがある。働きたい会社ナンバーワンというのは有名な話だ。》
光寿(そんなすごい会社の社長さんとお父さんがどんな関係があったんだろうか)
南都「じゃあ、早速行こうか。光寿さん」
光寿「え、どこに!?」
南都「まずは、その露出が多いセンスもかけらもない服から着替えよう」
南都は運転手に光寿は言ったことのない高級アパレルショップの名を目的地に告げると車は走り出した。
《これが、私と南都さんの初めての出会いだった》