初な彼女と絆される僕
「これ、母の手作りの猫なんです(笑)
小さい頃に買ってた猫が死んじゃって。
落ち込んでた私のために作ってくれたキーホルダーです!」

「へぇー!そうなんだ!
―――――でも…嬉しいな!
まさか“あの時の娘”が目の前にいるなんて!」

「わ、私もびっくりです!」

「そっか、そうだったのか!
そりゃあ、似てて当たり前だよね(笑)」

勇剛が嬉しそうに李依を見る。
その目は先程までの眼差しと違い、愛しさが見え隠れし始めていた。


電車を降りて、アパート前まで送ってもらった李依。
「わざわざ、ありがとうございました!」
「うん、またね!中畠さん」

「あ、あの!」
「ん?」

「これ!」
李依はやっと、プレゼントを渡した。

「え?これ…」

「お誕生日のプレゼントです…!
すみません、遅くなって……
レストランでは、どうしてもタイミングが掴めなくて……」

「……/////」
受け取り、固まったように紙袋を見つめる勇剛。

「あの、か、課長?」

「あ…/////開けても、いいかな?」
「はい」

丁寧に包みを開け、中からアロマのセットが出てきた。
「あ、課長眠りが浅いって言ってたので!
これ、凄く眠れるんですよ?
すっきり出来るというか。
もし興味があるなら、良い枕があるんです!
枕を変えると、眠れるようになることもありますよ!
友達が、アロマや枕を売ってるお店で働いてて!
紹介します!
…………ってなんか私、営業してるみたい…(笑)」

「フフ…ありがとう!
早速使ってみるよ!」

「良かった!
喜んでくれて!」

「うん、凄く嬉しいよ!」

「はい!」

「このプレゼントも、僕の話を覚えててくれたことも」

「フフ…」

「でも――――困るなぁ…/////」

「え?」

「中畠さんが“あの時の娘”ってわかって、感激してるところに、こんな嬉しい贈り物されたら………」

「え?
かちょ――――――」
勇剛が、李依の頬に触れる。
ゆっくり、顔が近づいてきた。

「中畠さん」

「……/////」

「もう少し、話せないかな?」


李依のアパートの下にある、小さな公園のベンチに並んで座る。

「ごめんね、引き止めて」
「いえ!
嬉しいです!」

「…………嬉しい?」
「はい!」

「………」
「―――――あ…//////えーと…その…//////」


「―――――中畠さん、恋人いる?」

思わず嬉しさが言動に出てしまい、顔を赤くする李依。
そんな李依を見据え、勇剛が言った。
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