初な彼女と絆される僕
その日の夜。

永輔が、李依の部屋に向かう。
ノックをするが、応答がない。

「中畠ー!飯の時間だぞ〜
…………寝たんかな?
中畠ー!」 

何度か呼びかけると、ガチャとゆっくりドアが開いた。

そして、顔色が悪い李依が顔を出した。

「え……中畠?」

「守原さ…ごめん…
お腹痛いのと吐き気があるので、ご飯…いらない…」

「ちょっ…大丈夫―――――じゃねぇよな!?
とりあえず、寝ろ!!」

永輔は、李依を支えて中に入った。
そして、ベッドに寝かせた。

「薬は?」

「持ってきてない…」

「ん。わかった。
買ってくる!
あと、少しでも食べた方がいいから、何かおにぎりでも買ってくるから。
だから、寝てろ!な?」

「ごめん…ありがと……」

「すぐ戻ってくるから!」

永輔は急いで部屋を出た。
ドラッグストアなどで買い物をし、部屋に戻る。
李依は、眠っていた。

せっかく寝てるのに起こすわけにもいかず、かと言ってここから離れられず、永輔はただ…李依が起きるのを待っていた。

しばらく李依の寝顔を見つめていると………

「んん…」
李依が目を覚ました。

「中畠?大丈夫か?」

「あ…守原さ……」

「薬とおにぎり、プリンも買ってきた。
食って、薬飲んどけ」

「あ…うん、ありがと…」
ゆっくり起き上がる李依を支え、永輔がベッド脇に腰かけた。

優しく背中をさする。
「食える?」

「うん…少し、お腹すいたから…」
「そっか!良かった!」

李依が食べるのを見つめていると、永輔の腹が鳴った。
何も食べずに李依が起きるのを待っていたから、腹が減っていたのだ。

「あ…守原さん、食べてないの?」
「あ、あぁ…」

「じゃあ…これ…」
残っていたおにぎりを渡す。

「あぁ…サンキュ」

「…………守原さん、ありがとう…!
おかげで、楽になった…」
薬を飲み横になった李依が、永輔を見上げ言った。

「ん、良かった」

「迷惑かけて、ごめんね」

「ううん、大丈夫!」

「お金は後から払うから」

「いらねぇよ、このくらい」 

「ダメだよ!
ね?」

「ん。
とりあえず、寝ろ。
明日も、スケジュールみっちりだからな!」

「うん」

頷く李依の頭を撫で、永輔は微笑んだ。
ゆっくり目を瞑った李依を見届けて、永輔は部屋を後にした。
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