初な彼女と絆される僕
「―――――あ、鍵…持ってきちまった…」
先程買い物に行った時に、李依の部屋の鍵を持って出た永輔。
そのまま持って帰ってしまっていた。
返しに向かう。
李依は穏やかな表情で、ぐっすり眠っていた。
先程戻って来た時より、穏やかな表情で安心する。
優しく、前髪を払った。
そして頬に触れた。
柔らかくてスベスベした感触に、心に甘い痛みを感じていた。
「中畠」
「………」
「…………李依…」
頬に触れていた手を、口唇を持っていく。
「………」
「俺、お前のこと――――――」
ゆっくりなぞって、顔を寄せた。
そこに、李依のスマホが鳴り響いた。
勇剛からのメッセージで、画面に表示された。
【李依、起きてるかな?
声、聞きたいんだ。
電話していいかな?】
現実に引き戻された感覚だった。
永輔は李依のスマホを睨みつけていた。
次の日。
薬が効いているのか、普通通り仕事が出来た李依。
「守原さんのおかげ!
本当に、ありがとう!」
「あぁ。
でも、良かった!」
「なんか、お礼したい!」
「良いって、そんなの。
……………あ…!」
「ん?何か奢ろうか?
それとも何か欲しいモノ?」
「今日、飯一緒してよ!」
「え?」
「仕事終わったら、どっかで飯食って帰ろ?
お前、課長と合流して食って帰るっつってたじゃん?
それ、断ってよ!」
「………」
「“お礼”なんだろ?
だったら、付き合って!」
勇剛に電話が入る。
「―――――もしもし?李依?
フフ…やっと、声聞けた!」
『勇剛さん、すみません!
今日、会えそうにありません』
「……………は?え?」
『守原さんとお食事して帰ることになりました。
あ、でも!
これは、お礼なんです!』
「…………どうゆうことかな?
説明してくれる?」
李依から、昨夜のことを聞かさせる。
「そう…
わかった」
『すみません!』
「ただ…
“これっきり”だからね?」
『はい!
守原さんにも、それはお伝えします!』
「あと、坊ちゃまに代わってくれる?」
『はい!』
『…………なんですか?』
「“信じてるからね”」
『………え?』
「僕は、君を“信じてるから”」
勇剛の言葉が、永輔の心に鋭く刺さっていた。
先程買い物に行った時に、李依の部屋の鍵を持って出た永輔。
そのまま持って帰ってしまっていた。
返しに向かう。
李依は穏やかな表情で、ぐっすり眠っていた。
先程戻って来た時より、穏やかな表情で安心する。
優しく、前髪を払った。
そして頬に触れた。
柔らかくてスベスベした感触に、心に甘い痛みを感じていた。
「中畠」
「………」
「…………李依…」
頬に触れていた手を、口唇を持っていく。
「………」
「俺、お前のこと――――――」
ゆっくりなぞって、顔を寄せた。
そこに、李依のスマホが鳴り響いた。
勇剛からのメッセージで、画面に表示された。
【李依、起きてるかな?
声、聞きたいんだ。
電話していいかな?】
現実に引き戻された感覚だった。
永輔は李依のスマホを睨みつけていた。
次の日。
薬が効いているのか、普通通り仕事が出来た李依。
「守原さんのおかげ!
本当に、ありがとう!」
「あぁ。
でも、良かった!」
「なんか、お礼したい!」
「良いって、そんなの。
……………あ…!」
「ん?何か奢ろうか?
それとも何か欲しいモノ?」
「今日、飯一緒してよ!」
「え?」
「仕事終わったら、どっかで飯食って帰ろ?
お前、課長と合流して食って帰るっつってたじゃん?
それ、断ってよ!」
「………」
「“お礼”なんだろ?
だったら、付き合って!」
勇剛に電話が入る。
「―――――もしもし?李依?
フフ…やっと、声聞けた!」
『勇剛さん、すみません!
今日、会えそうにありません』
「……………は?え?」
『守原さんとお食事して帰ることになりました。
あ、でも!
これは、お礼なんです!』
「…………どうゆうことかな?
説明してくれる?」
李依から、昨夜のことを聞かさせる。
「そう…
わかった」
『すみません!』
「ただ…
“これっきり”だからね?」
『はい!
守原さんにも、それはお伝えします!』
「あと、坊ちゃまに代わってくれる?」
『はい!』
『…………なんですか?』
「“信じてるからね”」
『………え?』
「僕は、君を“信じてるから”」
勇剛の言葉が、永輔の心に鋭く刺さっていた。