初な彼女と絆される僕
「―――――ご馳走様!中畠」
「うん!
でも、美味しかったね!ここ」
「あぁ!」
「今度、勇剛さんと行ってみよっと!」
嬉しそうに言う李依。
永輔は、そんな李依を切なく見つめる。
「中畠」
「ん?」
「たぶん、もう…こんな風に二人では話せなくなるだろうから、言わせてほしい」
「え?」
「課長はきっと、もう二度と俺と中畠を二人にはしないだろうから」
「え?え?
守原…さん?」
「俺、中畠のこと好きだ」
「………」
「………」
「………え…」
「いつからはわからない。
でも、今思うと……入社当時お前のこと気になってた」
「守原さん…」
「お前だけなんだ。
俺を“守原 永輔”として見てくれたの。
守原ホールディングスの坊ちゃまじゃなくて、一人の男として対等に見てくれたのは。
いつの間にか目で追うようになってて、声をかけることが多くなって、頭の中が中畠でいっぱいになってた」
「守原さん、私―――――」
「あ!わかってる。
お前は俺のこと、同僚としてしか見てないこと。
なのに伝えるの、ズルいのもわかってる。
でも、苦しくてさ…
ごめんな…
好きになって……」
切なく笑う永輔に、李依は首を横に振ることしかできなかった。
新幹線に乗り、駅に帰り着く。
「―――――李依!」
勇剛が待っていた。
「勇剛さん!」
新幹線に乗っている間、永輔と他愛もない話をしていたが、どこかぎこちなかった。
なのに、勇剛に会うとやはり嬉しさが込み上がる。
交際すると、幸せなことばかりだと思っていた李依。
昔、裕弓が“恋なんて、ある意味傷つけてなんぼ”と言っていた。
誰かを傷つけてしまう恋もあることを知った。
「じゃあな、中畠」
「あ…うん」
「公私混同しないんだろ?
“普通にして”」
そう耳打ちして、手をひらひらさせ帰っていった。
「李依。
会いたかった……!」
李依を抱き締める。
そして「今日、泊まってってよ」と、自宅マンションに連れていく。
やっぱりこの日も勇剛は「ごめんね、ごめんね…」と言いながらも、狂おしい想いを李依にぶつけたのだった。
「うん!
でも、美味しかったね!ここ」
「あぁ!」
「今度、勇剛さんと行ってみよっと!」
嬉しそうに言う李依。
永輔は、そんな李依を切なく見つめる。
「中畠」
「ん?」
「たぶん、もう…こんな風に二人では話せなくなるだろうから、言わせてほしい」
「え?」
「課長はきっと、もう二度と俺と中畠を二人にはしないだろうから」
「え?え?
守原…さん?」
「俺、中畠のこと好きだ」
「………」
「………」
「………え…」
「いつからはわからない。
でも、今思うと……入社当時お前のこと気になってた」
「守原さん…」
「お前だけなんだ。
俺を“守原 永輔”として見てくれたの。
守原ホールディングスの坊ちゃまじゃなくて、一人の男として対等に見てくれたのは。
いつの間にか目で追うようになってて、声をかけることが多くなって、頭の中が中畠でいっぱいになってた」
「守原さん、私―――――」
「あ!わかってる。
お前は俺のこと、同僚としてしか見てないこと。
なのに伝えるの、ズルいのもわかってる。
でも、苦しくてさ…
ごめんな…
好きになって……」
切なく笑う永輔に、李依は首を横に振ることしかできなかった。
新幹線に乗り、駅に帰り着く。
「―――――李依!」
勇剛が待っていた。
「勇剛さん!」
新幹線に乗っている間、永輔と他愛もない話をしていたが、どこかぎこちなかった。
なのに、勇剛に会うとやはり嬉しさが込み上がる。
交際すると、幸せなことばかりだと思っていた李依。
昔、裕弓が“恋なんて、ある意味傷つけてなんぼ”と言っていた。
誰かを傷つけてしまう恋もあることを知った。
「じゃあな、中畠」
「あ…うん」
「公私混同しないんだろ?
“普通にして”」
そう耳打ちして、手をひらひらさせ帰っていった。
「李依。
会いたかった……!」
李依を抱き締める。
そして「今日、泊まってってよ」と、自宅マンションに連れていく。
やっぱりこの日も勇剛は「ごめんね、ごめんね…」と言いながらも、狂おしい想いを李依にぶつけたのだった。