ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)
甘いからだ



*甘いからだ



次の日。


「おはよう、先生……」

「翠々香、おはよう……って、大丈夫?」

「え……?」


朝ごはんを食べようと、部屋から出て来た瞬間。

私は先生に、鏡を向けられる。

すると、なんだかほっぺが赤い。

これは……もしかして熱?


「一応、はかってみようか。耳から、」

「今は人間なので、脇で測ります」


先生から体温計を奪い、いざ。

すると36.6度と平熱だった。

「あ~、エアコンの設定温度を高くしてたのかも」

「三月に入って、日に日に暖かくなってるもんね。うん、風邪じゃないなら良かった。そのうち赤みも引くかな?」

「ちぇ、休めるかと思ったのに」


ぷぅとむくれる私に、先生は苦笑を浮かべる。
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