ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)
「にしても、先生。すごいクマだったなぁ。何をそんなに必死になってるんだか」
最近の先生は、とにかく研究研究で。全然息つく暇がない。
私のことを研究してるくせに、肝心な私は放ったらかして……解せないなぁ。
「今日は、もうちょっと長い時間お話しできるといいな」
学校が近くなった時、オレンジ色のカーブミラーに自分の姿が写る。
「……あれ?」
まだ顔が赤い。それに、朝よりも色が濃くなっているような……?
外も「かなり寒い」ってわけじゃない。むしろ、暖かく感じるくらいなのに。
「もしかして……紫外線で日焼けした?」
春の紫外線が一番強いというけれど。今がそうなのかもしれない。
明日はもっと日焼け止めを塗ろうと心に決め、学校に登校した。
だけど……。
「ねぇ、なんか甘い匂いしない?」
「思った。ねねちゃん、何か食べてる?」