ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)
「……え?」


友達とお昼ご飯を食べている時。

それは、突然に始まった。


「なぁ~んか、お菓子みたいないい匂いするっていうか」

「うんうん、思わず振り向いちゃうよね」

「私、から……?」


自分で自分の腕や服の匂いをかいでみる。

やっぱり、これといってにおわない。


「私じゃないよ? お菓子も食べてないし……」

「そうなんだぁ」


友達が「じゃあどこからなんだろうね」と、首を傾げた時だった。

私の背後に、誰かの気配を感じる。しかも、複数。


「ん?」


何気なく振り向いた、その時だった。


「翠々香ぁ、ちょっといい?」

「……え?」


集まっていたのは、クラスの男子二人。

昨日、私に「小動物みたいでかわいい」と言った人たちだ。
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