ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)

「先生のバカ〜!なんで研究を成功させちゃうんですか、ひどいです!もう私のこと、捨てちゃうんですかぁっ」

「翠々香」

「さんざん人の体をいじくっておいて、用済みとあらばポイ捨てなんて。大人の風上にもおけないです!」

「翠々香、聞いて」

「なんですか!私は今、怒ってるんです!

勝手なことをした先生を怒って、」

「――ねね」


ぎゅっ


その時、私の体はさらわれた。

桜の花びらを引き連れた先生によって。


「……今、勝手にねねを抱きしめた。

これも怒る?」

「ば、か……っ」


怒るわけないです。

好気な人に抱きしめられて、それでも怒る方がどうかしてますよ。


でも……
< 53 / 61 >

この作品をシェア

pagetop