ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)


「俺は大人、君は未成年。

ねねの言う通り、大人は汚いよ。

でも、待つことが出来るのも大人だから。

ねねが開花するまで、俺に待たせてよ」

「それって……」


顔を赤くさせた私を見るため、先生が私を離す。

そして、ちょっと顔を覗きこみながら……


「俺も、ねねが好きって言ってるの。

それで、君が大人になるまで待ちますって。

そう言ってるの」


と同時に、左手にくすぐったい感覚。

見ると、キラリと輝く薬指。


「こ、れ……先生、これ!」

「婚約指輪って知ってる?」

「し、知ってます!」


ニヤニヤ笑いながら聞かれた!

もう先生! また私をバカにしてる!
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