ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)
その後
*その後
「ぱぱー!ままー!
はやくきてー!」
桜の木の下で、ぴょんぴょんとうさぎのように跳ねる女の子。
冬の終わりで少し肌寒く、女の子は白いポンチョを来ていた。
ポンチョにはフードがついていて、その先にはうさぎの耳がついている。後ろには、小さなしっぽがちょこん。
「あー、このさくら。なかよし!」
女の子は、落ちていた桜の枝を見つける。
その枝には、二つの花が、揃って開花していた。
「ぱぱー!ままー!
わたし、たからもの、みつけちゃったー!」
女の子が走る先に、私たちの姿。
女の子――さくらが持っている花を見て、
「こっちが俺だな」
「夜宇さんはこっち。私が大きい方!」
と、大人気なく言い合う私たち。
そんな私たちを見て、さくらが笑う。
と同時に、大きなお腹の音。