ひとつ屋根の下、先生とヒミツの研究 (短)
グルルル
「ねぇ、ぱぱ、まま!
おはなみしよーって、わたしのおなかがいってるよー!」
「だ、そうだよ」
「ふふ、」
ブンブンと手を振るさくらに、私たちは手を伸ばす。
三人揃えば、まるで花が咲いたように笑みが浮かび――いつか夜宇さんとオムライスを食べた日のように、幸せな気分になった。
そして、
「ねぇ、ねね」
「ん?」
夜宇さんが私を見つめる。
優しい顔をして、何を言うかと思えば……
「そろそろ二人目がほしいなぁ?」
「ぶーっ!」
盛大にお茶を吐く私を見て、夜宇さんが笑う。つられて、さくらも。
「ままー、だいじょぶー?」
「だ、大丈夫だよ~」
さくらの見えない所で、夜宇さんの腕をキュッとつねる。
と言っても、「痛いなぁ」と笑うだけで、全く痛がる素振りは見せなかったけど。