俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~
はぁ?好きにしたらすぐ、あんたの彼女だとかなんだとか社員やそこらへんの女から勘違いされんだよ。
だから秘書の仕事中は、めんどくさいいざこざから身を守るために堅物秘書を装ってんじゃないのよ。
そう。本当は私だって姉の様に、いつだって好きな格好して出歩きたい。
だがしかし。
塁の秘書をしてる以上いつも隣には塁がいるわけで。
そして、顔も似ていない私達は、兄妹と知らない人から見ると、どうにも恋人同士に見えてしまうらしい。
おかげで、兄はそれでも女が寄ってくるのに、私には全くだ。
兄に敵うはずないと、誰も声をかけてこないのだ。
たまに怖いもの知らずもいたけど、もうどうでもいい。
そして、無駄にモテる兄のせいで社会に出た今でも、女どもから嫉妬の対象にされてしまうのだ。
そして、思いついたのがコレだ。
ほぼすっぴんに近いメイクに、髪を後ろに一つで纏めて、わざと野暮ったいパンツスーツに、黒縁の眼鏡スタイル。
これぞ、色気ゼロの堅物秘書の出来上がりだ。