俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~


しばらくすると、向こうからいつの間にか1人になった藤崎建設の副社長と思われるBMWが、ドリンクを片手にこちらに向かってきている。


BMWがくる。
涼太と俺は無意識に構えた。


「初めまして。私、藤崎建設の副社長を務めております。藤崎塁と申します。」

完璧だ。
落ち着いた話し方に、ハキハキと聞き取りやすい声。和やかな空気。
俺から見ても、いい男だ。

「初めまして。神楽コーポレーション副社長の、神楽 純平です。こっちは、秘書の冨樫だ」

「初めまして。副社長秘書の、冨樫 涼太と申します。以後お見知り置きを」


「なかなか、お会いする機会がなくて。
本日、お会いできて光栄です。
この度、東京支社のほうに勤務が決まりまして、今後は何かとお世話になるかと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」

そう言って、右手を差し出した。
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