俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~
〜麗side〜




シャワーから戻っても、もう塁は特に私が逃げ出した事について、何も聞いてこなかった。

良かった。


朝起きて、塁とホテルから出る時も、
ジョージがまだ近くにいるのではと
キョロキョロと挙動不審な動きをする私を

「おい。やめろ」

いつもの俺様ぶりで、一喝された。



そして、新幹線に乗り込んだ。

「これ、まとめとけ」

と昨日交換した、大量の名刺を渡される。

塁はそのまま静かに目を閉じた。


一枚一枚思い出すようにめくっていく。
そして、ある名刺で手が止まる。

"神楽コーポレーション
副社長 神楽 純平"


ジョージだ。

名前。やっと知れた。純平さんっていうんだ。
頭文字だけは合ってたんだな。
ジョージとジュンペイ

ふふふっと笑う。
そして、ぎゅっと名刺を胸に抱きしめた。


それを塁が隣で、見ていたなんて。
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