俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~

実際には、少しの間(ま)だったと思う。
それすら、俺には1時間くらいに感じるほど
長くて、自信がなくなる。


「お願いします」

そう言って麗は、嬉しそうに俺に飛びついてきた。

一瞬で気が抜けて、麗を抱えたまま後ろに倒れ込んだ。


よかった、、、成功した、、
「、、、よかった」

安心からか、目の奥が熱くなる。
また、カッコ悪い自分を見せたくなくて腕で目を隠す。
そして、何とか落ち着こうと息を整える。

麗はそんな俺に、顔を見せろと言う。
甘えろと。頼れと。

そもそも、これまでの俺なら人前で泣きそうになる事もなかった。

麗の前でこんな事になってる時点で、俺は既に無意識に、麗に甘えていたのかもしれない。

そう思ったら、
今更顔を隠したって何も変わらないんじゃ、、

そして、麗に手をどかされ、間抜けな顔をさらした。

"これが俺だ"と言うように。
"このままの俺を愛してくれ"と言うように。
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