俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~
そして、私のクラッチバッグが何人用なのか
もはやわからないくらい大きな黒い
レザーのソファーに無造作に転がっていた。
ソファーに駆け寄り、バッグを手に取ると、財布を開けた。
そこには2万円が入っていた。
「あはは。2万か。
この際、足りなくても許してもらおう」
テーブルに2万円をピシっと置いて、
床にあちこちに散らばったヒールをパパッと拾い、音を立てない様につま先で大理石のフロアを歩き、玄関に向かう。
私は泥棒か。
笑える。
エレベーターのボタンを押す。
そして、ドアが開くと彼の家から逃げるように飛び出した。