俺様パイロットは高嶺の花を暴きたい~恋情溢れる溺愛攻防戦~
嫉妬で狂ってしまいそうだ。
誰だあの男は。
あいつなのか?
BARで見せた、彼女の涙を思い出す。
ようやく動き出した車の流れに乗って、結局カフェは諦め、行きつけの個室のある割烹へ向かったのだった。
勝手に。
となりで涼太が何か言ってる。
「お、おい。俺のコーヒーは?」
もう知らん。無視だ。
涼太は、何か察したのか、もう何も言ってこなかった。
とりあえず、仁に聞けば身元はすぐにわかるだろう。
あそこのBARは、会員制になっている。
完全に職権濫用だが、この際使えるものは使うしかない。
その考えが、甘かったと。
あの時、車なんて置き去りにしてても彼女を追いかけるべきだったと、すぐに後悔する事になった。